乾物の知識



乾海苔の調理例

調 理 例

1.海苔巻寿司
調理法 海苔巻鮨を一度も御試しなき方の為に、その作り方を申上げます。
細巻きには小判を用います。表と裏を二枚合わせ、裏を表に出し、極く強い火につけるように手早く両方を焼いて二つにきります。竹簾(たけすだれ)を敷き、その上に海苔の表を下にして前の方に寄せ、鮨飯を濡布巾で二分位の厚みに均す(ならす)、巻きしまいの向うの方は五分ほどゆとりを置き、手前の巻き始めのところを濡れ布巾で溝を作る、この溝の所に干瓢4~5本横に敷き、簾の前の端を持って干瓢の隠れる位に折り曲げ、徐に(おもむろに)巻上げて、簾の前端に寄せて、今度は強く巻き締めます。
鮨飯は白米を少し強目(こわめ・かため)に炊き、酢、砂糖、塩をよく混ぜたものを一度にザッとかけて混ぜ合わせ団扇(うちわ)で煽ぎ(あおぎ)冷まして置きます。

調理法 太巻きは上記同様に鮨飯は四分位の厚みにしき、干瓢、きくらげ、玉子焼、おぼろ昆布などを敷き、上記同様に下巻きを巻上げ、これを脇に取り、さらに大判海苔を簾(巻簾)の上に敷き、その中ほどのところに半分に切った海苔を重ねます、これは巻き上がりの時海苔の破れぬように二枚重ねるのです、それから酢飯を濡れ布巾でのします、おぼろの類をその上に敷き、次に前の下敷きを載せて、今度は全部を巻きしめて2,3回転がし、巻き上がった両端を2,3分切り落とし、1本を7,8個位に薄刃で酢を包丁につけて切り、皿に盛る。

2.乾海苔わさび和え
調理法 乾海苔をそのまま出すのも風情がない、というような場合に、わさび和えにすると、即座に間に合います。
海苔を火取って揉み、わさびを卸して、醤油に味の素を加えたので溶き、湯冷ましを少し加えて前の海苔と鰹節のかいたのを一緒に和えます。さっぱりして、ビールの肴には大変結構です。

3.海苔汁粉
調理法 そば餅を小さく切り、こんがり焼きて、湯につけて柔かくし、皿に盛って、大根卸しをかけ、砂糖を少しふりかける。焼海苔を細かく揉みてかけ、醤油を少したらして供する。

4.青苔飯(チンタイファン)
材 料 乾海苔、醤油、味の素、御飯、番茶を備えます 
調理法 乾海苔は焙りよく揉んで置きます。海苔を焙る時は強火で手早く裏返しながら、一寸透かして見ますと、焙れた部分は色が変わって居ります。
もみ海苔を茶碗に入れ、醤油少々を注ぎ、味の素小匙1杯を加えて、御飯を盛りいれ、上から熱い番茶をかけて供します。
番茶はあまり濃くない方がよろしいです。

5.おとし芋まぶし海苔
材 料 つくね芋2個、乾海苔2枚、わさび半本、胡瓜少々 
調理法 つくね芋の皮をむき、おろし金で下ろして、すり鉢に入れてよく摺ります、乾海苔を二枚合わせて一方を持ち、炭火の上で青くなるまであぶり、乾いた布巾に包んでもみほぐし、お皿に入れます。
前の摺った芋を、箸で小さな梅干大にちぎって、海苔皿の中に落とし、海苔をまぶします、これを深皿に5,6個盛り、そばに胡瓜を丁寧に洗って薄く短冊に切ったものを、少し多い目に盛り合わせます。下ろしわさびを一つまみ載せ、甘酢をたっぷりかけます。(東佐譽子)

6.薩摩芋の海苔巻
調理法 薩摩芋を輪切りし、よくアクを抜いて鍋に入れ、砂糖と塩で極柔らかに煮ます(たきます)、それを裏漉しにかけて置き、別に焼海苔を簾(す)の上へ拡げて、今の芋を平らに押し付けながら中央へ紅生姜の細かく刻んだのを心に入れ、鮨のように海苔巻きにします、一寸しゃれた味で、菓子代わりにもなります。

7.独活(うど)の海苔巻き
調理法 これは5寸位の長さに切った独活のアクを出したら味醂と砂糖で煮て冷まして置きます、海苔を簾の上へ拡げて、その上へ薄焼きの玉子を敷き、今の独活を3本ほど心に入れて巻いたものです。

8.鰹の海苔巻き
材 料 鰹、乾海苔、山葵(わさび) 
調理法 焼海苔を紙に載せ、生鰹を薄くそぎ身にして一寸(ちょっと)お醤油に浸したものをその上に置き、山葵を所々につけて固くグルグルと巻きます、それを形くづさぬように紙ごと包丁で切ります。紙をとり、器に盛って醤油を添えて出す。これも一寸した客用になりましょう。(赤堀旺宏氏)

9.蟹の海苔巻き
材 料 乾海苔、独活、蟹缶詰、醤油、生酢、味醂(5人前) 
調理法 乾海苔3枚を縦に2つに切って置きます。独活(うど)1本を前の切った乾海苔の長さに切り、これを一寸角位に剥ぎ、醤油5勺と生酢5勺とを合わせた二杯酢の中に浸して置きます。
蟹肉の細かなものを半分取り、前の半分宛(はんぶんづつ)に切った海苔5枚を1枚づつ別々に拡げて、海苔巻鮨を拵(こしら)える時のように、海苔の上にこの蟹肉を広げて、中央へ前の独活を3本位載せ、端から海苔を惓く(まく)ように巻くのです。そして巻き終わったならば、1本を5個づつに切り、5個づつ向皿に盛り甘酢をかけて供します。
甘酢の拵え(こしらえ)方:並盃に1杯の味醂に、並盃に半杯の生酢を混ぜ合わせます。

10.鰆の海苔吸物
材 料 鰆(さわら)の切り身2切れを5つに切ります、乾海苔2枚、生姜少々、昆布5寸程、塩、醤油少々、出し汁5合  
調理法 海苔は青くなるまであぶり、もんで粉にしておきます、お出汁5合を鍋に入れて煮立ちましたら塩をした鰆を水洗いして鍋に入れ、2,3分間してから出汁昆布を5寸ほど入れます、これをさし昆布と申しまして、煮立たせたのち泡を掬い(すくい)とりまして、食塩茶匙半分ほどと醤油4,5滴とをいれ生姜の摺り搾り汁を少しいれます、これは忍び生姜と申します。火からおろし、お碗に鰆一切れと汁とを入れ、もみ海苔を上から降りかけて出します。



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