乾物の知識



青海苔

解説 緑藻類。干潮線の海辺岩石に着くものですが、紫菜(あまのり)と同様人口養殖も行われます。土佐の渡川、仁淀川尻、肥後の球磨川尻の名産として著聞し、ほかに紀州、阿波、伊予、尾張、播州、淡路、豊後等、朝鮮沿岸にも産出します。製法に(1)抄製(2)掛製(3)束製(4)摘製(5)粉等あり。近年は粉製の青海苔粉壜(こびん)詰の需要が殖えて参りました。

成分及び栄養価 大体、乾海苔と似たもので、乾海苔に比し蛋白質が少ない代わりに含水炭素(炭水化物)と脂肪が多く、種々の無機物質を含有しています。立派な栄養品で、古来「根の薬」といい、一種の強精食品として生理上の効果を讃えられます。

用い方 その高き香気を賞するもので、炙って粉とし、味噌汁、とろろ汁、大根おろし等に添え、御飯にふりかけて食欲を進め、さらに料理の色取り、餅や煎餅、菓子等の香味をつけるに用い、毛細なる種類の粗悪品は襖紙の模様彩りに使われます。

調 理 例

1.お月見料理の向皿(5人前)
材 料 鯛の上身(150匁・約450g)、青海苔粉少々、青シソ5枚、ワサビ1本、大根1本
調理法 鯛の上身を二分角位に細く切り、青海苔粉にまぶして後、別に大根を白髪打として水につけ青紫蘇をしきて上に大根のけんを盛り、前にすずきの葉の如く鯛を盛りつけ、わさびと醤油をつけて供します。(奥川和雄氏)

2.青 苔(チンタイ)
材 料 青海苔、醤油、油、味の素
調理法 青海苔を炙り、細かく揉んで小さい器に入れ、上から煮え油を少々かけ、味の素を振り込んで、其の上に醤油を落として其のまま供します。

3.青苔湯(チンタイタン)
材 料 青海苔、片栗粉、生姜、醤油、味の素
調理法 まず醤油で薄味の汁を煮立て、片栗粉を水溶きして加えトロリとさせます。其処へ味の素を振り込み、一旦かき回して碗に盛り、青海苔を焙り揉んで入れ、生姜の絞り汁を落す。



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