乾物の知識



昆布

解 説 昆布はわが国に産する海藻中、食品として最も価値を認めらるるものです。遠く上代から食用され、続日本紀に「先租以來貢献昆布常採此地年次不闕」云々とあるに徹しても瞭か(あきらか)です。これは説明するまでもなく、北海道が主産地で、三陸一帯の海岸にも産し、品種頗る多く真昆布、長昆布、三石昆布、鬼昆布、利尻昆布(俗に煮汁昆布)、細目昆布等があり、また製法によっても、いろいろの名称を生じます。即ち長切昆布、元揃及花折昆布、折昆布、巻昆布、刻昆布、細工昆布、とろろ昆布、朧昆布(おぼろこんぶ)、薄雪昆布、切水晶昆布、初霜昆布、白板昆布、青板昆布等々。そのうち乾物商の多く取扱うのは元揃え昆布、白板昆布、青板昆布などで、多くは料理に使うものですが、元揃えは鬼昆布の葉を縮まさぬよう乾燥してから積重ね、さらに重石を置いて夜中に圧迫を加え、翌日陽光に当てて乾上げ結束したもの。白板は元揃えの外面を削り取って白くしたもの。青板は長さ1尺5寸位、幅2,3寸に揃えて切り丹礬(たんばん・胆礬)、青竹を以って着色したものです。

成分及栄養素 昆布の成分は水分25.38%、蛋白質7.25%、脂肪0.87%、含水炭素(炭水化物)38.63%、灰分28.35%、この灰分中にはヨード分が特に多く、しかも各海藻中で一番味の良い点は承知の通りです。和漢三才圖會に「凡そ(およそ)昆布は黒焼きにして口舌歯牙の病を治し、梅干と効を同じうす。又水腫の病人用いて、鯉と昆布とを水にて煮、その鯉を食えば小便を通ず、ニ物ともに水腫を治すの効あるを以って成」とあり。また某書に「昆布は婦人の毛髪を増し、根気を強くするに効があるといひ伝え、また宵のこぶは見逃せぬなどという諺(ことわざ)もある、最も防寒保温にも効があり、また肺毒性の人にもよい、また石灰中毒を銷解(しょうかい)するに効がある」と見えます。

用い方 昆布は昔から「ひろめ」とも、「えびすめ」、ともいい、また「よろこぶ」に音が通ずるので、慶び事の席にはなくてはならぬものとされます。用途も料理向き、菓子向きにいろいろ多いが、就中(なかんづく)、煮出汁に一番広く用いられます。いま調理法の荒筋を記すと、

調理法
 
結び昆布 求肥昆布(鬼昆布を酢に漬て軟らかくし、塩分を除いて、薄刃包丁で削製したもの、細工昆布ともいう)を3分~6分に切り、一つ結びとして溜り醤油と味醂、砂糖で辛い目に煮る。
砂糖漬 板昆布を細く切り、鍋で煮溶かした白砂糖の中へ入れ、からからになるまでとろ火で煮つめ焙爐(ほいろ)で乾かす。
塩昆布 小角に切った昆布を醤油のみで煮詰め、塩を多く加え、またとろとろと煮込む。
竹 巻 青板昆布を水に浸し、柔らかになった時、之を小口より巻き、斜(はす・ななめ)に切って味をつける。
昆布巻 鮒、鯡、もろこなどの外、精進なれば筍、牛蒡、生麩、焼豆腐などを味つけ、これを白板昆布に小さく巻き、汁をひたひたにして煮る。
昆 布 こぶしめは魚肉、又は摺芋などを求肥昆布(きゅういこんぶ)で炊く。
 その他酢こんぶ、揚こんぶ、佃煮は粒山椒または紫蘇の実、木の芽など入れる。


昆布煮汁の取り方
 水1升に昆布20匁(75g)位の割合にします。昆布は2寸四角位にきって用います。まづ昆布を一寸水につけ、両面の砂や、埃をよく取去って置き、熱湯の中に入れて1分程煮立ててすぐ引上げます。
 素人は、昆布を長く煮れば煮る程おいしい味がつくと考えていますが、それは飛んだ誤解です。あまり長く煮ますと、昆布臭くなりますから、さッと煮立ててすぐ取出すのが秘訣です。後の昆布は更に二番出汁を取り、その後は醤油で煮ておくと、おいしい佃煮が出来ます。

鰹節と昆布の煮汁
 水1升に鰹節25匁(93,75g)、2寸四角の昆布4枚の割にします、お湯の沸騰間際に昆布を入れ、数分間煮立てて昆布を掬い上げ、次に鰹節を入れて一度煮立てて鍋を下ろし、上に浮いた泡を取り捨て5分位澄ましておいて、漉し取ります。
注意 すべてお煮汁を取る時、お吸物をつくる時に、お鍋に蓋をしないことです。それは蓋には色々の臭気が付着していますし、蓋をして煮ますと、お汁が濁ることがあります。



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