乾物の知識



豆麺(とうめん)

解   説 緑豆(やえなり)(又は分銅豆という)を水に浸け、軟らかくなった頃、簏し(どうし:竹の箱、かご)にかけて粕をとって沈殿させ、それを晒して(さらして)乾燥し、熱湯中で葛粉の如く溶いて叩きながら引伸ばし、水に浸してから器械で細く切断する、引続き日当たりのいい河原で日光乾燥するという風に、45日間を費やし可なり手数をかけて製します。一般には春雨または春風と申します。もともと支那の名産物ですが、近時大阪の製造家が支那から技術者を聘して(へいして)、純支那式の製造をやっていますので、支那本場産に遜色なき優良なものを製造いたしますし、また朝鮮や満州で出来たものを輸移入して内地で再加工するのも多くなりました。春雨といい春風という、その名称は違っても、要は原料の緑豆に多数の澱粉を混ぜるだけの相違で、品質に大なる変わりがある訳でありません。
成分及栄養素 頗る滋養に富むもので、豆麺の成分はその8割まで含水炭素(炭水化物)で、約1割は蛋白質、脂肪も含有されています。消化よく、脚気症の適食です。
用 い 方 暫く水に浸し置き、後よく湯がいてから牛肉、鶏肉との煮合せ、吸い物の実、酢味噌、三杯酢をかけても賞味いたします。即ち糸蒟蒻の代用となるわけです。なお支那料理では、その本場だけに種類が多くあります。

調 理 例

1、支那風の寄せ鍋
調理法 春雨や椎茸や銀杏を使った寄せ鍋です。鶏の骨でスープを取り、醤油と味の素でやや辛めに味をつけます。春雨は煮立った湯で茹でて一寸位に包丁を入れ、白菜を茹でて7,8分位に切ります、銀杏は焙烙(ほうろく)で炒り、椎茸、蒲鉾、鯛(白身の魚なら何でもよし)、牡蠣なども適当に切って置きます。
鍋にまづ春雨と白菜を入れ、その上に手際よく具を並べ、スープをたっぷり注して火にかけ、煮ながら頂きます。

2、蟹、春雨の酢のもの
材 料 春雨、蟹缶詰、胡瓜、三杯酢、芥子粉
調理法 春雨は軟らかく茹でて水を切って置きます、胡瓜は塩でもんで水で洗い、よくしぼって置き蟹缶詰は開いて細かくほぐし、以上三品を涼しそうな酢のもの皿に盛ります。三杯酢の中には芥子粉を溶かして少々入れ、上からかけて出します。

3、春雨五目煮
材 料 春雨二束、椎茸5板、筍小三本、玉葱1個、青豆少々、豚肉30匁、紅生姜、塩、胡椒、味醂、醤油、味の素、片栗粉、(5人前)
調理法 春雨は暫く水につけて軟らかにし、湯に入れて透明になりましたら笊に上げ、2つ3つに切ります。椎茸は水に浸けて軸をとり、筍(缶詰)は缶から出して、玉葱は皮をむき、豚肉は薄く切り、これを全部千切りにし、青豆は水洗いをして笊に上げます。
以上のものをフライ鍋にラード(胡麻油、落花生油でもよい。)を少々溶かし、豚肉を先にいためておき 次に青豆の他全部をよくいため、のけておいた豚肉と青豆を加えてよく混ぜ、塩、醤油、味醂で味をつけ、片栗粉大匙1杯を水で溶いて入れ、どろりとした汁にします。
別にフライ鍋にラードを少々溶かし、春雨を入れてざっといため、お皿に分けて、その上から五目と汁をたっぷりとかけ、紅生姜の千切りと胡椒少々をぱらっとふりかけます。(天野てるの氏)



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