乾物の種類

 「乾物」といっても、その種類は豊富である。現在は、生産する人も、食べる人も少なく、いつの間にか姿を消した商品もあるが、昭和6年、大阪乾物商同業組合発行の「乾物の知識」によると、同組合が取り扱う乾物営業品目として次の製品を挙げている。

 椎茸(しいたけ)、香茸(こうたけ)、木耳(きくらげ)、岩茸(いわたけ)、凍豆腐(こおりとうふ)、凍蒟蒻(こおりこんにゃく)、干瓢(かんぴょう)、割菜(わりな)、切干大根(きりぼしだいこん)(千切(せんぎり)・小花切(こはなきり)・角切(かくきり)・花丸(はなまる))、乾紫蕨(ほしぜんまい)、乾牛蒡(ほしごぼう)、乾蓮根(ほしれんこん)、乾海苔(ほしのり)、青板海苔(あおいたのり)、青苔(あおのり)、青苔粉(あおのりこ)、壽泉寺苔(じゅせんじのり)、三島苔(みしまのり)、鶏冠苔(とさかのり)、若布(わかめ)、鹿角菜(ひじき)、切荒布(きりあらめ)、素麺(そうめん)、干饂飩(ほしうどん)、干蕎麦(ほしそば)、葛素麺(くずそうめん)、豆麺(とうめん)、冷麦(ひやむぎ)、白玉粉(しらたまこ)、麭粉(ぱんこ)、黍粉(きびこ)、蒟蒻粉(こんにゃくこ)、晒餡粉(さらしあんこ)、漉餡粉(こしあんこ)、芥子粉(からしこ)、山椒粉(さんしょうこ)、蕃椒粉(なんばこ)、白胡麻(しろごま)、黒胡麻(くろごま)、荏胡麻(えごま)、麻(あさ)ノ(の)実(み)、罌栗(けし)、干栗(ほしくり)、玄黍(くろきび)、実胡桃(みくるみ)、銀杏(ぎんなん)、榧実(かやのみ)、焼麩(やきふ)、庄内麩(しょうないふ)、干湯葉(ほしゆば)、莫大海(ばくだいかい)、蕪骨(かぶらぼね)、鳥黐(とりもち)

 しかし、これはあくまでも、同業組合として公定した商品であるとして、その他について「例えば寒天組合に属する寒天や石花菜(てんぐさ)その他海藻類、粉商工組合に属する各種の穀粉類、澱粉類の如きは、昔から当然乾物商の売捌(うりさばき)にかかり、その他塩干魚商に属する鰹節、削り節など、昆布商に属する昆布各種も乾物商の扱いが多くさらに大阪乾物商では各種の食料缶詰、瓶詰類を重要な販売品としていることを特記いたして置きます。」としており、当時の乾物問屋は、かなり幅広く取扱っていたようだ。最近は「乾物問屋」という名称が消えて「食品問屋」になってしまったから、こうした細かいことを知る人が少なくなっている。

 上記の乾物商品で、都市部では見られなくなった商品も、産地に行くといまだに販売されているものがあり、生産地の「道の駅」や「産直販売店」で見かけることもあるようだ。産地では、「食べ方」(調理法)も教えてもらえそうだ。

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