乾物の知識
穀物、澱粉類
各種の穀豆や根茎類を粉にしたものもナカナカ種類多く、そして皆、成分や性状が違っていて、それぞれの特徴をもつものです。概して穀粉は蛋白質、澱粉は含水炭素(炭水化物)に富み、われわれの生理上栄養上に重大な働きをなすものであります。
晒餡(さらしあん) 漉餡(こしあん)
解 説 餡には、製造原料によって赤あん(小豆)、白あん(白菜豆、ささげ等)、緑あん(青豌豆)、栗あん(白あんに栗を混ぜたもの)、胡麻あん(白あんに胡麻を擂り込んだもの)等いろいろありますが、晒あん粉は最も用途の広く、家庭向きに常に需要の多い小豆あんの代役を勤めるもので、小豆その他の原料を碾いて粉となし、水晒しの上で乾燥させたものです。つぎに漉餡粉といふのは晒餡粉よりもずっと高級な北海道小豆を用い、その皮を去り、加工方法にも一段の吟味を加えて精製したものですが、両品とも面倒な手数をかけて生餡を拵える煩雑と時間を省き、いとも軽便に用い得るところが特徴で、しかも貯蔵が出来、いつでも入用時に即席の役に立つわけです。お台所の簡易化を叫ばれる今日、その需要は素晴らしい勢いで殖えるも當然でせう。
成分及び栄養価 豆類は元来栄養価の高いもので、小豆類を原料とした本品もその通りです。
成分分析では含水炭素(炭水化物)63.30%、蛋白質21.80%、灰分1.56%を示しています。
用い方 前記の如く生餡の代わりに、本品を極軽便に経済的に使用するのが特徴で、団子、餅類、まんじゅう、汁粉、ぜんざい等の付け餡や汁に用いること説明を要すまい。唯晒し餡の日向臭い癖を嫌う人あり、煮る前に水に浸けて上水を取替えれば、その癖が脱けます。漉し餡には、その必要がありません。なほ本品をお使いになる時の分量は、生餡1升分に対しては、晒し餡または漉し餡百匁を代用して下さい。
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