乾物の知識
菌茸乾燥品の特長と調理法:木耳
木耳(きくらげ)解説 擔子菌類の一つ。濶葉樹に寄生するもので、殊に桑の枯木に生え易く、形が人耳に似ているのでこの呼称があります。九州の宮崎、鹿児島両県及び韓国の済州島に産し、また南洋諸島(ヤップ島、ジャワ島、ポナペ島など)からも大分輸入されています。
用い方 木耳は歯当りがあって、味もよろしい。微温湯に浸して後、細かく刻んで魚菜料理の付き合せに多く使用されますが、特にすり豆腐、ケンケン、茶碗蒸し、煮しめ、葛掛け、浸し物などに適します。
調理例1.よせ木耳材料 木耳5勺、寒天半本、砂糖大匙3杯、塩少々、醤油2勺、味の素。
調理法 木耳を水に浸し、石付を払い、良く水洗いして細かく切り、ざっと茹で笊に上げて置く。別に寒天を約2時間水に浸して絞り上げ、水1合ほどを入れて煮溶かし、砂糖、醤油、塩を加え、木耳を入れて練り上げ、流し箱にとり、冷まし固めて、短冊形に一人につき4枚づつ結いします。(精進料理壺の一種)。
2.蟹の松風焼材料 木耳、鶏卵、蟹缶詰、味淋、胡麻油、罌栗。
調理法 木耳5枚を1時間ほど水の浸けて置き、石付の所を摘み去り、極細い針打ちに打ち、水に放して置きます。鶏卵8個を鉢に割り込み、泡立て器で混ぜて置きます。そぼろ肉の蟹缶詰肉をすり鉢に取りてザット擂り、その中に前に溶いた鶏卵を入れて擂り混ぜ、並盃に2杯の醤油と並盃に2杯の味淋と加え、良く混ぜて置きます。そして天板に胡麻油を引き、少し熱してから煎った罌栗を並盃に半分ほどふりまきます。その中に前の混ぜ合わせた材料を流し込み、木耳を水気を絞ってふりまき、天板に入れて15分間ほど焼、火が通ったならば取り出して、冷めたとき適宜に20片に切り分けて、さらに4片づつ盛って饗するのです。
3.ぎせい豆腐材料(5人前) 豆腐2丁、人参2~3寸、木耳2~3枚、青豆少々、玉子3個、麻の実少々。
調理法 豆腐は茹でて布巾で搾り、砂糖大匙4杯、醤油2勺半程入れて味をつけ、木耳と人参は千切りにして茹で、両方とも薄味を付け、麻の実の煎ったもの、青豆等を入れて、玉子と混ぜ合わせ、胡麻油をひいた卵焼き鍋で焼きます。(高橋虎松氏)
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