乾物の知識
壽泉苔(じゅせんのり。別名水前寺苔)
解説 淡水藻(たんすいそう)。筑前の金川村、熊本市外水前寺付近の清流に産し、両地の名産物として水前寺苔、紫金苔(しきんたい)の別名があり、淡水藻中の秀逸として駿河の芝川苔(しばかわのり)と並称されます。採取後藻を臼で搗き砕き、瓦や平板に載せて陰干しとしたもの。松葉花形と称する製品もあります。
用い方 水に浸けると十倍ぐらいの厚さに膨れます。普通の時は熱湯をかけて膨らせ、酢浸しとして刺身に取り合わせ、清汁(すまし)などにも用いるが、味頗る(すこぶる)淡泊なところから茶人や酒客の珍重するもの。なお砂糖をかけて冷菓子に代用したりする。熊本には比藻で製した「翠雲華」という有名な菓子があります。
◎祝儀の献立では水前寺苔を壽海苔(じゅのり)と呼びます。
All Rights Reserved 食品産業情報センター 福岡県朝倉郡筑前町依井1091-3