乾物の知識



凍蒟蒻(こおりこんにゃく)

解説 こんにゃくを薄く剥いで、厳寒の夜野外に晒し、凍結させた後干し上げしたもので、容積重量を減じ、久しく貯蔵に耐えるのが特長です。古来軍糧として重用されました。関西では播州、関東では常陸が産地です。

成分及び栄養価 「こんにゃく」と大体同じですが、その成分はやや異なり、次の表の通り「こんにゃく」が水分と少量の含水炭素なるに対し、これは六割の含水炭素と多量の灰分と蛋白質若干を含んでいます。ゆえに相当の栄養価を認めることが出来ましょう。
 水分蛋白質脂肪炭水化物灰分カロリー(匁)
凍蒟蒻9,903,8060,1426,169,83 
生蒟蒻96,15 0,01  0  3,10  0,74    0,48


用い方 凍こんにゃくを白水に浸し、布に包んでよく水を切り、酒、醤油、酢、砂糖などを加えてとろ火でゆっくり煮ます、その他酢物、和え物、味噌汁の具にも用いられ、シコシコっと噛んで一種の風味をもつものです。

 
凍 蒟 蒻 の 調 理 例
 前記方法ののほか水またはぬるま湯に4.5分ないし10分間浸けてもどし、後搾って用います。

1.凍蒟蒻の漬け汁

 凍蒟蒻4枚を水か湯に浸してもどし、1枚を4切れに切り、鶏卵1個に醤油小さじ2杯を入れて攪拌した中に入れてよくかきまぜ、鍋に煮出汁5合を煮立て、塩を少し入れて味を付け、凍蒟蒻を一つづつはなして入れ、煮立った分に醤油を少し入れ、煮立つと同時に鍋を下ろして碗に盛り分け、海苔を火取ってもみほぐしかけて進めます。これに三つ葉、芹、獨活(うど)など取り合わせると一層いいでしょう。

2.凍蒟蒻の白和え

 凍蒟蒻10枚を水に浸してもどし、熱湯に入れて23分間茹で、縦2つ切りとして更に小口から3部位に切り、煮だし1合5勺、砂糖小さじ1杯、醤油大さじ2杯で下煮をしておく。豆腐半丁を布巾でしぼって水気を切り、すり鉢ですり、白味噌大さじ2杯をすりまぜ、灰汁(あく)抜きした辛子小さじ1杯、砂糖小さじ1杯、味の素少量を加えてすりまぜ、この中に前の凍蒟蒻を入れて和え、器に盛り分け、柚子の皮の千切り、または紅生姜の微塵切りをふりかけて出す。なお豆腐の代の代わりに白胡麻を炒って用いてもよろしく、胡瓜、木耳などを配合すると美味しくなります。

3.凍蒟蒻の煮付け

 凍蒟蒻5枚を水又は湯につけてもどし、搾って縦2つ切りとし、更に小口から三分位に切り置く。前夜から水に浸しておいた大豆1合半を柔かく煮、味醂大さじ3杯、砂糖小さじ山盛り1杯を加えて45分間煮、醤油大さじ3杯を入れて56分間煮て前の凍蒟蒻を加えてかきまぜ、また56分間煮て、削鰹節茶飲み茶碗1杯と醤油大さじ2杯を加え、ちょっと煮て火から下ろし、小鉢に盛り分けて出します。
 *注意 凍蒟蒻は汁を含みやすいから、醤油が過ぎるとまずくなります。
 



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