乾物の知識



干饂飩

干饂飩(ほしうどん)

解 説 饂飩は古く「あつむぎ」または「麦縄」といいました。干饂飩の製法は饂飩の打ち方と大体同じで、小麦粉を塩水でよく捏ね、ロールにかけて平たく打ち伸ばし、切断機で線状型に切断して天日乾燥又は蒸気乾燥を行い、貯蔵の出来るようにしたので、素麺と同じく手打製、機械製の区別あり。播州、備中、河内、淡路、大和等素麺産地で製造いたします。
用い方 生饂飩と全く同一ですが、ただ調理前に素麺と同様に柔かく茹で上げます。
(干饂飩1束は約25匁で、饂飩玉の3個分に相当します、その積もりで御用いください。)

調理例

1、干うどんの餡掛(あんかけ)
材 料 干うどん40匁、片栗粉10匁、煮出汁5合、生姜3匁、塩少々、醤油2勺
調理法 干饂飩は熱湯に入れ、箸にて手早くまぜ、煮立った時少量の水をさしつつ茹でる、そして水に十分さらして水気をきり、煮出汁2合と塩1匁を加えサッと煮て火よりおろし置く。鍋に片栗粉を入れ、砂糖と煮出汁と醤油を入れ、御飯杓子にて絶えずかきまわしながら煮上げ、火よりおろし、おろし生姜をまぜ、前の饂飩を皿にもり其の上に餡汁をかけて供す。

2、俵うどん、そぼろかけ
材 料 干うどん1把、鶏肉40匁、庄内麩5枚、片栗粉、針生姜
調理法 干うどんを茹で上げて、笊に取って水気を去ります、庄内麩は水に浸して柔かくします、柔かくなったら両端を切去って、麩と麩との間に包丁を入れ、平たく色紙の如くにいたします、これを巻簾の上に載せ、その上に以前のうどんを真直ぐに並べて軽く巻き、竹の皮を水に浸し、金串の先で細く裂いた紐で適宜の間を置いて程よく9ヶ所ほど縛って3ッ切に俵の如くいたします。即ち3っの俵うどんが一人分になります。
この俵うどんを薄味で煮て置き、別に鶏肉を細かく叩いて置きます。味醂を小杓子にて2杯、鰹出汁2杯半、砂糖少量、薄口醤油同1杯位、味の素少量で味付けした汁を作り鍋に入れて鶏肉の叩いたものを入れ、よくほぐします(汁の熱い時に鶏肉を入れると鶏肉が固まりますからそぼろになりません。)

3、干饂飩のナポリテーヌ
材 料 コーンビーフ2分の1、干饂飩1把、トマト563グラム(150匁)、玉葱750グラム(200匁)、塩、胡椒、味の素少々、サラダオイル大匙2杯、メリケン粉少々
調理法 大きな鍋に、水8分目も入れ、塩、胡椒を加え、煮立ちましたところへ、うどんを散らし入れ、程よくゆでて、笊にあげ水気をきっておきます。缶詰コーンビーフは缶から出して細かく刻みメリケン粉を小匙山盛2杯ふりかけて、まぜ合わせます。フライパンにサラダオイル(バターでもよろしい)を大匙2杯入れて火にかけ、煮立ったところへ細かくきざんだ玉葱を入れて、鳶色になるまで気永くいため、この中にコーンビーフを入れて2,3分間まぜながらいためた後、トマトの薄皮をむいて細切りにしたものを加え一緒に2,3分間も煮ましたらばこれを普通の鍋に移し熱湯4合を加え、塩、胡椒で調味し、とろ火でとっぷりと煮込みます。1時間位煮続けました後、前のうどんを入れ塩、胡椒で再び調味し、10分間も煮つめて火からおろし味の素を加え西洋皿に盛って供します。(東佐興子)

4、リイタリアンヌ
材 料 干饂飩半束、トマト100匁、牛肉30匁、玉ねぎ1つ、バター少々
調理法 塩を少々加えた熱湯の中に干饂飩を散らして入れ、程よくゆで、ザルに上げ、水けをきっておきます、牛肉はこまかく切るか或いは挽いて、塩と胡椒をふりかけ、メリケン粉をまぶします、一方玉ねぎをみじんに刻み、フライパンにバター大さじ1杯(或いはサラダ油)と一緒に入れてホンガリと好い香りの出るまでいためたらば、この中へ肉を入れて強火でいため、トマトの薄皮をむいて細切りにしたのを加え、5分間も煮た後シチュー鍋へうつし、熱湯4合位を加え塩と胡椒をふって強い火で40分ほど煮込み、その中へ前のうどんを入れ、再び塩と胡椒で味をつけて10分間ほど煮ふくめて火からおろします。(東佐興子)

5、筍うどん
材 料 筍、椎茸、蒲鉾、干うどん
調理法 筍の柔らかいところに味の素を利かせ、薄味に煮て置きます。茹でた干うどん2束を鶏肉のスープを臺(だい)にした特性の汁で一寸煮込み、別に椎茸も同じく味をつけて置きます。以上を温めた小丼に盛り、蒲鉾など体裁よく盛り合せ、干海苔の火取ったものを揉みかけます。薬味には木の芽、又は葱を添えます。



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