乾物の知識



石花菜(てんぐさ)

解 説 紅藻類の一種、心太草とも書く。寒天の原料です。わが国沿岸到るところに多少産しますが、伊豆、房州、相模、伊勢、志摩、紀州、能登、日向などが著聞し、なお朝鮮と台湾でも採取します。近ごろは内地不作だと南米のメキシコ國から輸入されます。

成分及栄養価 主成分は含水炭素(炭水化物)と灰分で、少量の蛋白質を含み、これを盛夏に食すれば暑気を払い厳冬に食すれば寒気に耐えると言い伝えます。

用い方 簡易な清涼食品として「心太」をつくります。この草を煮溶かした汁を型に流し込んで固め、清水で冷却したもの。田舎の掛茶屋、駄菓子やでは細く突出し砂糖蜜、溜醤油をかけて進めます。全く真夏の情趣横溢(じょうしゅおういつ)、蕪村の句に「心太倒しまに銀河三千丈」とあり。勿論、寒天から作った方が色も味も宜しい譯(わけ)です。なお山葵酢や酢味噌でも賞味出来ます。



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