乾物の知識
乾紫蕨(ほしぜんまい)
解説 羊歯科(シダ科)、薇(ゼンマイ)の柔かい茎を採って乾燥したもの。赤干と青干の二種あり、土地により其の好みが違い、京都の人は青干、大阪の人は赤干を喜びます。赤干とは一度湯通しをして乾燥したもの、青干は松葉燻蒸(まつばくんじょう)の後に乾燥したものです。奥羽、東北地方および四国が鐃産地(主な産地)で徳島、高知、秋田、福島、山形、新潟の各県に指を屈します。
成分及び栄養価 その4割は含水炭素(炭水化物)、3割は無機質、2割は蛋白質、微量の脂肪も含んでいます。最も安価な栄養食品で、灰分の多いために昔から歯薬だといはれ、また神経痛を癒し、駆虫剤の代用にもなるそうです。
用い方 古来山村の備荒食となり農商家の副食物にも喜ばれ、よく油揚豆腐と煮しめて用いますが、魚の煮汁で煮ると一しお味はひを増します。ちょっとバターで炒め味醂、醤油、砂糖で煮き上げるのも宜しいでしょう。
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